行動経済学の本として竹林正樹さんの「心のゾウを動かす方法」という本があります。人の中にある直感を”ゾウ”、理性を”象使い”に例えてわかりやすく人間の行動の裏側にある心理を描いています。この本の内容をじっくりと考え、自分の中にいる“パワフルなゾウ”を上手にコントロールすることができれば、だれでも自分が思い描いた未来に近づくことができると思います。
みんなの心の中には“ゾウ”と“象使い”が住んでいます
心の中にいるゾウと象使いとは、
となります。みなさんの心の中にある直感と理性は今日からゾウと象使いの姿でイメージしましょう🐘
ゾウはパワフルだけどめんどくさがり屋!象使いは冷静だけどパワーでゾウに勝てない。
ゾウはパワーがあり、うまくコントロールできれば強大な力を発揮します。ディズニー映画『ダンボ』の始まりのシーンでゾウたちが雨の中、巨大なサーカスのテントを組み立てているシーンは印象的です。みなさんの心の中にいる「直感」というゾウも大きな仕事ができる力を秘めているんですよ?
しかしゾウは考えることが苦手なめんどくさがり屋なため、うまく象使いがコントロールしないとゾウの真の力を引き出すことはできません。一方で象使いはただの人間であるため、ゾウを力づくでコントロールすることはできません。一日にせいぜい数回が限度です。基本的にはゾウは野放しにされていることが多いんです。
毎日歯みがきができるのも心のゾウのおかげ
歯みがきを毎日するって実はすごいことですよね。寝たり食べたりすることは生きるために必要ですが、歯みがきしなくてもすぐ死ぬことはありません。それでも毎日歯みがきをするのは、まさに心のゾウが習慣としてほぼ自動的に実行してしまうことの好例です。
「今日、歯みがきしよっかな〜、やめよっかな〜」っていちいち判断する人はいないもんね。
判断することは疲れること
日々の生活を振り返ると小さなことから大きなことまで多くの判断を迫られています。
- 出かける時の服を選ぶ
- レストランでメニューを選ぶ
- 仕事においてどの選択肢を取るか
普段、何気なくしている判断だけど、意外と脳のエネルギーを使うの🧠
他にも、朝起きる・ベッドから出る・トイレへ行く・顔を洗う・朝ご飯を食べる・掃除をする・シャワーを浴びる・服を選ぶ・出かけるなどなど、人は一日に3万5千回もの判断をこなしていると言われています。
朝起きるときに「ん〜朝起きようかな、どうしようかな」なんていちいち判断していては時間がかかりすぎるため、ルーティーン作業はほぼ直感で行われます。1日の3万5千回の判断の99%以上はそのように処理され、これを行ってくれているのが心のゾウです。
まともに考えて判断できる回数は一日10回もない
考えて判断することは疲れてしまうため、重大な判断は一日に10回くらいしかできないと思った方がいいです。
起きている時間で平均すると1時間に1回くらいだね。
重たい判断をするときに活躍するのが象使いの役割です。象使いがパワフルなゾウをうまくコントロールすることで大きな作業をこなすことができますが、象使いは一日に何回も活動できないのが難点です。
心のゾウをコントロールしよう
心の中のゾウはなまけ者です。仕事は先送りにしたいし、考えることもしたくありません。そんななまけ者のゾウをどう動かすかで人生が変わります。ぜひパワフルなゾウをコントロールできる強く頭の良い象使いを自分の中に育てましょう。
ゾウの特性を理解しよう
ゾウは個体差もありみなさん自身で自分の心の中にいるゾウの特性を理解する必要があります。
- 楽な方へ向かう
- 現状維持が好き
- 将来のことを考えるより、今を楽しみたい
- みんながやってるから自分も同じことをする
10人いれば10人それぞれの性格を持ったゾウが心の中に住んでいます。
ゾウを利用するぞう
ゾウの習性は活かし方によっては強大な武器になります。
- 楽な方へ向かう → 労力を使わず体力・精神力を保つ
- 現状維持が好き → 決まっていることをやり抜くことができる
- 今を楽しみたい → 今、目の前にあることに集中して取り組むことができる
- みんながやってるから自分もやる → 仲間と行動すれば同じレベルで行動し続けることができる
ゾウの習性は見方によっていい効果を得ることができるものばかりです。ゾウが持つパワフルなエネルギーを未来を良くすることに使えたら、未来を自分が描いた通りに大きく変えることができるでしょう。
お金が大好きなゾウを心の中に持っていたら、寝る間も惜しんでとにかくお金を稼ぐことにコミットすることができます。ただしゾウだけでは途中で壊してはいけないものを壊したり(他者への迷惑)、踏んではいけないものを踏んだり(不正)、夢中になりすぎて体を壊したりと多くの問題が出てくることでしょう。象使いはうまくゾウをコントロールしてあげる必要があります。
ゾウはパターン化された作業が大好き
ゾウは考えることが苦手なため、同じルーティンが大好きです。歯みがきと同じですね。
大きなことをするためには継続してことに当たる必要がありますが、多くの人はなかなかそれができません。それは取組に対してやるかやらないかを判断するたびに疲れやすい象使いを呼ばなければいけないからです。象使いは冷静に物事を判断できますが、疲れやすいため何度も登場させることができません。また象使いが「今日はちょっと寝不足だから明日やろう」と言い訳じみたことを言い始めたら進ものが進みません。
継続しなければいけないものは、毎日のルーティーンとしてゾウに勝手にやらせることが成功への秘訣です。ダイエットをしたいなら、朝5時に起きたらすぐにランニングに出かけることを習慣化してしまうことが重要です。象使いの判断を待つのではなく、ゾウが「そうしないと落ち着かない」くらいの状態が理想的です。
ゾウが夢中になれることを探そう
ゾウを自分が望んだ方向に走らせることができれば無敵です。自分のゾウが夢中になれることを見つけよう。ただ、ゾウがテレビやYouTubeを見ることに夢中になっていてもそれだけでは人生を良くすることはできません。ゾウは頭を使い手を動かすことに夢中にさせる必要があります。成果物を作る必要があるんです。
たぶんみなさんの多くのゾウはこれが苦手でしょう笑。ゲームでもプラモデルでも草むしりでもいいから人を喜ばせることができて自分のゾウが夢中になれることを探しましょう。
ゾウをコントールできないと自分も他人も傷つける
「レッテル貼り」をご存知でしょうか。あいつは服が汚いからきっと仕事ができない、とかあいつはいつまでも独身だからきっとつまらないやつなんだろう、といった事実をゆがめて物事を認識してしまう見方のことです。
レッテル貼りは他人だけでなく自分自身に貼り付けてしまうことがあります。前にも失敗したからどうせ今回も失敗する、とか、センスがないからどうせいくら頑張っても自分は上手になれない、とか。
これらはめんどくさがりやの心のゾウによって引き起こされます。
ゾウのパワーはプラスにもマイナスにも働く
ゾウはパワフルなので障壁を乗り越えて突き進むことができますが、進みたい方向に進まなければ行きたい場所から逆に遠ざかってしまうこともあります。
もし自分のことを「自分はいつも失敗しているからどうせ今回も失敗する」とレッテル貼りしているならすぐにやめましょう。ゾウは考えることが嫌いだからレッテル貼りされ単純化された結論にすぐに逃げます。無意識のうちに「どうせ失敗するからやらないでおこう」と人生の挑戦から逃げていたら、のちに大きな後悔が待っています。
ゾウのエネルギーを人生を良くする方向に向けてあげよう。
作業中にやめていること
人間はマルチタスクをすると著しく作業効率と精度が落ちるため基本的にはタスクを一つ一つ処理していくことが効率的です。作業を素早く終えるために次のことを心がけています。
- スマホを見ない
- ソファにすわらない
- テレビをつけない
- パソコン内の不必要なウインドウを消す
スマホは誘惑のかたまりです
スマホは面白いコンテンツをすぐに出せてしまうため、作業に不要ならば目の届かないところに置いておきましょう。スマホを遠ざけるだけで触りたくなるものがなくなると言ってもいいくらいです。
家の中の何気ない景色でスマホやテレビが触ってくれ、と主張するようにうっすら明るく輝いて見えているんですよね。だから視界から消してしまうのが一番です。スマホは引き出しにしまいましょう。
ソファも良くない
ソファも良くないんですよ。自分にはソファの定位置とおかしな座り方をする癖があるんですが、姿勢が悪くなる効果もあるのでソファには座らないようにしました。姿勢を良くすることも作業を効率的に行う重要な要素です。猫背は他の人からの見た目が悪いだけでなく、血流が悪くなり頭がぼやーっとした状態になりやすいため、やめましょう。
疲れると思うかもしれませんがきちんと背筋を意識して正しい姿勢で作業をした方が集中力が続く体を作ることができます。
テレビをつけるクセをなくそう
夜遅くに帰ってきた時など、音がないと寂しいから何となくテレビやYouTubeをつけてしまうことがあります。リラックスしたい時なら構わないのですが、集中して作業するときにはやめましょう。BGMがあった方がいいと言う人もいますが、それはBGMに気を向けていることになるので集中力を引っ張られていることには間違いありません。
結論、集中して作業したい時はBGMも消そう。
ただし外がお祭りや街頭演説などで騒がしい時は、どのみち100%集中することは不可能なため、騒音にBGMを上塗りしてならす意味でBGMをかけるのはありです。うるさくて70%しか集中できない状態でもその70%の中で100%集中できる工夫をしましょう。
パソコン内の不要なウインドウやアプリを消そう
パソコン作業をしているといろいろなウインドウやアプリを開いたままにしてしまいます。
ウインドウをたくさん開いていると、
- 単純に気が散る
- パソコンのメモリを多く消費してしまい重くなる
などデメリットは多いです。文章を書くときは文章を書くことに集中する。画像を処理するときは画像処理に集中するなど仕事ごとにパソコン内を整理しながら作業をしましょう。
作業に向いている時間帯を見つけよう
- 昼過ぎになると眠くなる
- 朝一は頭がシャッキリしている
など人それぞれ作業に向いている時間が異なります。作業内容によって効果的な時間の使い方をしましょう。
私は朝起きて4時間くらいまでが一番脳の中がさっぱりしているのでこの時間に文章を書く作業をしています。昼過ぎになると眠たくなるのでその時間にジムに行って体を動かしながらYouTubeで学習するようにしています。
眠たい時間をジムで回避したらまた集中して作業しましょう。
あえて食べないという選択肢で集中力はアップする
「腹が減っては戦はできぬ」といいますが、腹が満たされていると眠くなったり集中力が切れやすくなります。おなかが空いている時はおなかの脂肪が燃えている映像をイメージしながら作業に集中しましょう。
ここでお菓子などを食べてはいけません🍪。作業の集中力が途絶えてしまいますし、少しだけと思い食べてしまうとどんどん食べ続けてしまいます。
空腹を感じたら集中モードに入るチャンスです。人間、満たされている時よりも少し何かが不足している時の方が頑張れるものです。
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